来る2020年は、日本最古の正史である『日本書紀』が編纂された養老4(720)年から1300年となる節目の年。この年に、東京国立博物館では特別展「出雲と大和」が開催される。
本展では展覧会のタイトルの通り、出雲(島根)と大和(奈良)、それぞれの地に伝わる宝物や資料の数々を展覧するものだ。島根県からの呼びかけに奈良県が応じるかたちで構想が始まったというこの特別展。東京国立博物館学芸研究部考古室長・品川欣也は、この展覧会で焦点を当てる出雲と大和について、「古代日本の礎を考えるうえで欠かせない地域」と語る。
展覧会構成は、「巨大本殿 出雲大社」「出雲 古代祭祀の源流」「大和 王権誕生の地」「仏と政」の4章構成。
出雲大社に伝わる古神宝である国宝《秋野鹿蒔絵手箱》(13世紀)をはじめ、出雲大社境内で出土した3本1組の巨大な柱である重要文化財《宇豆柱》(1248)、加茂岩倉遺跡から出土した国宝の銅鐸(紀元前2〜1世紀)、メスリ山古墳から出土した世界最大の円筒埴輪(4世紀)、石上神宮に伝わる国宝《七支刀》(4世紀)など、国宝20件以上、重要文化財70件以上が紹介される。