ジャスパー・ジョーンズから舘鼻則孝まで、今週末に見たい3つの展覧会

12月22日までに終了する展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップして紹介する。この機会をお見逃しなく。

ジャスパー・ジョーンズ 「Usuyuki」展の会場風景 (C) Jasper Johns; Courtesy of Fergus McCaffrey Gallery 写真=丸尾隆一

日本文化への関心をもとに。ジャスパー・ジョーンズ 「Usuyuki」展(ファーガス・マカフリー東京

ジャスパー・ジョーンズ Usuyuki 1981 Edition of 85 (C) Jasper Johns

 ポップ・アートの先駆者のひとりとして知られるジャスパー・ジョーンズ 。そのシリーズ「Usuyuki」を紹介する展覧会が、表参道のファーガス・マカフリー東京で12月21日に終了する。

 ジョン・ケージや評論家・東野芳明との交流のなかで、日本文化への関心を深めたジョーンズ。「Usuyuki」は、18世紀の歌舞伎演目『新薄雪物語』をきっかけに、「薄雪」という言葉をモチーフとして1979年から2004年にかけて制作されたもの。本展では、全作品を通してクロスハッチングの画面をもとに展開されるシリーズから、版画とドローイングあわせて9作品を紹介する。

会期:2019年11月1日〜12月21日
会場:ファーガス・マカフリー東京
住所:東京都港区北青山3-5-9
電話番号:03-6447-2660
開館時間:11:00〜19:00
 

可能性に満ちたイメージの連なり。ヘ・シャンユ「Who Are Interested in Us」(SCAI THE BATHHOUSE

何翔宇 Untitled 2018

 何翔宇(へ・シャンユ)は、中国の次世代を代表するコンセプチュアル・アーティスト。北京とベルリンを拠点に、批評的な視座を軸とした大規模なプロジェクトで注目を集めている。その個展「Who Are Interested in Us」は、谷中のSCAI THE BATHHOUSEで12月21日まで。

 本展で何翔宇は、「内と外」という二元的対立や矛盾についての考察を中心とした作品群を発表。その制作は、見捨てられていた素材や検討されなかった考えなど、自身のスタジオ内での廃棄材料の収集からスタートしたという。対立関係を端的に表すようなひと揃いの靴下や、脚の一本がブロッコリーに置き換わった椅子など、その作品群にはやわらかな可能性に満ちたイメージの連なりを見ることができるだろう。

会期:2019年11月18日〜12月21日
会場:SCAI THE BATHHOUSE
住所:東京都台東区谷中6-1-23
電話番号:03-3821-1144
開館時間:12:00〜18:00
 

矢を用いた新作を初公開。舘鼻則孝「It’s always the others who die」(ポーラ ミュージアム アネックス

舘鼻則孝 Heel-less Shoes 2019 (C) 2019 NORITAKA TATEHANA K.K. Courtesy of KOSAKU KANECHIKA

「ヒールレスシューズ」をはじめ、日本の伝統文化をモチーフとした作品を手がけるアーティスト・舘鼻則孝。その新作20点で構成される個展「It’s always the others who die」が、銀座のポーラ ミュージアム アネックスで12月22日に終了する。

 注目したいのは、舘鼻が主題としてきた「日本独自の生死観」をもとに、職人によって仕上げられた225本の矢を用いて制作した新作《アローズ》。また、近年精力的に取り組んでいるペインティングのシリーズから、横幅6メートルにおよぶ大型作品も展示される。

 加えて、ポーラ銀座ビル1階のウィンドウ・ディスプレイには、クリスマスシーズンにあわせて《ベビーヒールレスシューズ》のインスタレーションも設置。クリスマスを目前に控えた銀座の空気とともに楽しみたい。

会期:2019年11月22日~12月22日
会場:ポーラ ミュージアム アネックス
住所:東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
電話番号:03-5777-8600
開館時間:11:00〜20:00 ※入場は閉館の30分前まで
料金:無料

編集部

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