へ・シャンユ「Who Are Interested in Us」

　何翔宇（へ・シャンユ）は1986年中国生まれのアーティスト。今年のヴェネチア・ビエンナーレの中国館代表のひとりとして参加し、第5回ウラルビエンナーレ（2019）や第13回リヨン・ビエンナーレ（2015）に出展するなど、北京とベルリンを拠点に国際的に活動している。

　瀋陽師範大学で美術を学んだ何翔宇は、これまで、127トンのコカ・コーラを煮詰めた残留物の山やイタリア製のレザーを用いた中国軍の戦車など、批評的視座を基軸に、現代の構造をあぶりだす大規模プロジェクトを展開。近年は、自身の口腔の感覚を視覚化した《PalateProject》や、人々の感覚を刺激する黄色の効果を、果実のレモンとの文化的関連性のなかで探った《Lemon Project》など、個人的な感覚領域に目を向けた作品を発表している。

　本展では、「内と外」といった二元的対立・矛盾の考察から制作された作品群を展示。現代社会における視覚の優位性に対して、身体的感覚の回復を試みる何翔宇の実践を紹介する。天王洲のSCAI PARKでも個展を11月19日〜22日の3日間開催。