『サザエさん』で知られるマンガ家・長谷川町子と姉の毬子が収集した美術品の展示を目的に、1985年に東京・世田谷に開館した長谷川町子美術館。その分館として、町子の作品・資料を展示するための「長谷川町子記念館」が2020年4月14日にオープンする。
同館では、町子の3大代表作である『サザエさん』『エプロンおばさん』『いじわるばあさん』の世界観を紹介するとともに、町子が描いた様々な作品やその人となり、仕事に関する資料を見ることのできる常設展示を実施。また、あらゆる角度からその仕事を紹介する企画展示も開催する。
初回の企画展は、町子の生誕100年を記念した「長谷川町子の漫画創作秘話」。会期は2020年6月28日まで。
町子は14歳で『のらくろ』の作者・田河水泡の弟子となり、15歳でマンガ家としてデビュー。以来、半世紀におよぶマンガ家活動において常に第一線を走り続け、数々の作品を生み出した。雑誌の連載に始まり、新聞連載、三姉妹で立ち上げた「姉妹社」からの単行本の制作・出版や絵本づくりなど、その仕事は多岐にわたる。
本展ではまず、当時のマンガや雑誌、スケッチブックで町子の少女時代を振り返るとともに、『サザエさん』誕生以前の初期作品を展示する。また『サザエさん』制作時に使用していた道具や草稿、原画のほか、町子が情熱を持って取り組んだ単行本の編集作業を追い、表紙原画を展観。作品に込められたこだわりとその心情、苦悩を織り交ぜて、町子のマンガ創作の秘密を紹介する。
なお同館には、昭和の明るさが感じられるショップ＆カフェも併設。日本初の女性マンガ家である町子の魅力が詰まった同館のオープンを、楽しみに待ちたい。
