ラグビーワールドカップ2019や、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会などに先立ち、2016年秋に開催された「スポーツ・文化・ワールド・フォーラム 東京プログラム」。同企画は、スポーツ・文化・ビジネスによる国際貢献や有形無形のレガシーなどについて議論・情報発信をし、国際的に機運を高めるためのキックオフイベントとして注目を集めた。
これにあわせて、障害者によるアートやスポーツ義足などのデザインに関する展覧会シリーズ「ここから」もスタート。同展は、共生社会や文化の多様性について関心を深めることをテーマとして毎年開催されてきた。今回、その4回目となる「ここから4―障害・表現・共生を考える5日間」展が、東京・六本木の国立新美術館で開催される。会期は12月4日~8日。
本展では、障害のある人々が制作した作品に加えて、障害・障壁への気付きを促すマンガ/アニメーションや、身体感覚を際立たせる映像/メディア・アートなども紹介。参加作家には、『ポーの一族』などで知られるマンガ家の萩尾望都や、 映像の時間概念を空間やプロジェクトへ応用するアーティストの山城大督、群れをなす生物を好んで描き、ニューヨークのアートフェアでも高い評価を得た鵜飼結一朗などが顔を揃える。
鑑賞支援の取り組みも進められ、より多くの人にひらかれる本展。障害の有無を超越し、多様な作品が共存する展示空間で、表現の持つ根源的な喜びを感じたい。