宮本和子は1942年東京生まれの美術家。64年に東京の現代美術研究所を卒業後、ニューヨークへと拠点を移した。68年にはニューヨークにスタジオを構え、同ビルに居住していたソル・ルウィットやアドリエン・パイパーらと交流。のちに、ルウィットのアシスタントとして多くの作品のプロダクションに携わった。
20名の女性作家によって設立されたニューヨークの非営利スペース「A.I.R. Gallery」の活動にも早くから参加し、ナンシー・スペローやアナ・メンディエータなどといったアーティストと交流を深めてきた宮本。ミニマリズムを日本人の視点から考察する作品は高く評価され、主な所蔵先に京都国立近代美術館、ニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館などがある。
現在、東京・麻布十番のTake Ninagawaで開催されている個展は、宮本にとって日本では初となる個展開催だ。本展では、宮本の70年代の仕事を中心にドローイングマップなどを紹介。また、それらの資料をもとに再制作された代表的なインスタレーション《Egypt II》《String around a cylinder of my height》も日本初公開となる。