高松次郎、ソル・ルウィット、アグネス・マーティンが追いかけた「線」の概念を見る。ユミコチバアソシエイツが「Between the Lines」を開催

東京・新宿のユミコチバアソシエイツで毎年開催されている高松次郎展。今年は展覧会タイトルを「Between the Lines」と題し、高松の「線」にまつわる作品シリーズを、ソル・ルウィット、アグネス・マーティンの作品とともに展示するという。会期は8月25日〜9月21日。

©The Estate of Jiro Takamatsu, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

 東京・新宿のユミコチバアソシエイツでは、美術家・高松次郎の個展を毎年開催している。高松次郎(1936〜98)は、ヴェネチア・ビエンナーレ(1968)、日本国際美術展(東京ビエンナーレ)「人間と物質」(1970)、ドクメンタ6(1977)などの国際的な展覧会に出品するなど、世界中で活動。また、赤瀬川源平、中西夏之とともに結成した芸術集団「ハイレッド・センター」のメンバーとしても知られる。

 1964年頃に代表作となる「影」シリーズの制作を開始。その後、絵画の形式を持つものや彫刻に似た立体物、文字を用いた版画や写真など様々な分野にわたって作品を展開し、73年頃からは平面作品を中心に手がけた。

 「Between the Lines」と題された今回の高松展では、「線」の概念を用いた「紐」シリーズと、「線」の定義をさらに追求するなかで制作された晩年の「形」シリーズが、ソル・ルウィットとアグネス・マーティンの作品とともに紹介される。ルウィットは、正方形キャンバスや紙の上にグリッドや水平線のみを用いて線を描き続け、一方のマーティンは、「ストラクチャー」という用語に従って幾何学的形状や線状のパターンを様々に配置し空間をつくりあげた。

 展覧会タイトルには「線の間で何を思考し思索したか」と同時に、「Read between the Lines(=行間を読む)」の意味も含まれるといい、本展は、そういった言外の意を汲み取り、3名による「線」への洞察を巡ることを試みる。

編集部

Exhibition Ranking