都心で見る「キベラ“スラム”」の姿
──坂田さんの展示「キベラ“スラム”から見つめる世界 語られてきた私から、語る私へ。」は、どのような内容になりましたか。
坂田 私が13年間通っているケニアのスラム街「キベラ」は、以前広告業界で心身を消耗し、世界一周の旅に出た際に出会った場所です。そこで気の合う友達がたくさんでき、以来、現地に通って遊んだり、プロジェクトを実施したりという交流が続いています。
キベラは自分にとって大切な場所だからこそ、写真や映像、イベントなどを通じて、日本で紹介することにも努めてきました。ですが、私はあくまで外部の人間です。現地で生まれ育った人の視点でキベラを伝えられたほうが、より深く現実が伝わるはず。そう考えていたときに、仕事仲間のフォトグラファー・政近遼やビデオグラファー・池谷常平が、「日本で使われなくなったカメラを集めて、キベラの人たちに撮り方を教えてみたらどうか」とアイデアを思いつきました。
2人が実際にカメラを10台以上集めてキベラへ赴き、現地の若者を集めてレクチャーしたところ、これをきっかけに作品づくりに没頭する人が現れ、おもしろい作品が続々と生まれたんです。これなら、キベラの人の視点でキベラを紹介する企画が成立すると思い、CRAWLに応募しました。


──展示の構成はどのようなものになりましたか。
坂田 オーディションで選ばれたキベラ出身のアーティスト12人が写真や映像を展示しており、そのテーマは、伝統儀式、日常の暮らし、路上のスナップ、看取りの現場など多岐にわたります。また会場の奥には、現地小屋を再現した空間をつくり、そのなかにキベラの人たちの生活用品なども配置しました。キベラに行ったかのような気分を味わえるとともに、スラムという言葉で一括りにされて見えづらくなっている、現地の人々の「生の輝き」を感じ取ってもらえたらと思います。


会期中には、キベラからアーティストを数名招いて日本での作品制作・発表を行うほか、会場にキベラの人たちへの質問箱を設置して、SNSを通じて返信が来るような仕組みも用意しています。そうした交流も楽しんでいただけたらと思います。

檜山 坂田さんの展示に続いて、6月10日からはCRAWL選出企画の第2弾「ドゥーリアのボールルーム」も開催します。医療的ケア児の養育者がドラァグクイーンへと変身するパフォーマンスを毎週末開催予定です。ケアとクィアが出会う交差点としてスタートしたアートプロジェクトで、こちらもCRAWLでないとBUGでは開催することのなかった独自性の高い企画です。
そしてこの6月からは、今年のCRAWLも始動します。アートワーカーへ向けたキャリア支援プログラムの数々に、ぜひご注目ください。



















