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小山登美夫と新オーナー・倉富佑也が語る小山登美夫ギャラリーの未来。ギャラリーはいかに次世代へ継承されるのか

日本の現代美術を牽引してきたプライマリーギャラリー「小山登美夫ギャラリー」。同ギャラリーの全株式が2026年1月、創業者であり代表取締役社長の小山登美夫からOffice Kuratomi Singapore Pte. Ltd.代表取締役の実業家・倉富佑也へと100パーセント譲渡された。小山はなぜこのような決断をしたのか。そして、これからのギャラリーはどう変わっていくのか。小山と新たなオーナーとなった倉富に、今回の決断の背景とこれからのビジョンについて聞いた。

聞き手・構成=編集部 撮影=小澤塁

左が小山登美夫(代表取締役社長)、右が倉富佑也(Office Kuratomi Singapore Pte. Ltd.代表取締役)

未来を見据えた「ギャラリーの継承」という決断

──小山登美夫ギャラリーは1996年の創業以来、日本の現代美術を牽引してきたプライマリー・ギャラリーです。その小山さんが実業家の倉富佑也さんへ、会社の株式を100パーセント譲渡(売却)し、オーナーを引き継ぎました。まずは、この決断に至った背景を教えてください。

小山登美夫 僕は33歳でこのギャラリーを始めて、今年でちょうど30年目になります。そのあいだに何回か病気も経験し、年齢を重ねるにつれて「この先、ギャラリーをどう次世代につなげていくべきか」ということを真剣に考えるようになりました。

  小山登美夫ギャラリーは法人化して18期目になりました。おかげさまで業績が良かったこともあり、非上場ながら株式価値は随分と高くなっていたんです。もし、僕に突然何かあったり、あるいは会社を解散することを想定すると、あえて売上を減らしたり、従業員を減らしていくなど、株式価値を下げていくようなネガティブな行動をしないといけない。だけど、これからの10年、そんな後ろ向きなことを考えて人生を生きたくない。自分が元気なうちに、ポジティブなかたちでギャラリーを未来へと引き継ぎたい。そう考えていたときに、たまたまM&Aの専門家から連絡をもらい、株式の売却を本格的に検討するようになりました。

 いくつか美術の事業に関心のある企業を紹介してもらったなかで、倉富さんがいちばん美術に対してピュアな思いを持っていると感じました。年齢を聞いたら33歳。僕がギャラリーを始めたのもちょうど33歳だったこともあり、「同じ年齢でスタートする。これは良い縁なんじゃないか」と直感的に思いました。

倉富佑也 私は実業家ではありますが、同時に好きな作品を買ったり、美術館に足を運んだりするひとりのアート愛好家でもあります。イギリスへ出張しているとき、社内チャットで「小山登美夫ギャラリーとご一緒できる可能性がある」という連絡が入り、その瞬間、ここ数年でいちばんというくらい興奮して、胸が高鳴りました。「この機会は絶対に逃したくない、ご一緒したい」と。そこから何度も小山社長やスタッフの皆さんとコミュニケーションを重ねさせていただき、今回のことが実現するに至りました。

倉富佑也、小山登美夫ギャラリー六本木(東京)にて

編集部