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INSIGHT - 2020.4.4

「見る」「買う」「学ぶ」。自宅でアートを楽しむ方法まとめ

新型コロナウイルスの影響により、美術館の休館やアートイベントの中止・延期が相次ぎ、政府は不要不急の外出を控えるよう要請している。こうした状況のなかでも自宅でアートを楽しむことができる方法を、これまでウェブ版「美術手帖」に掲載した記事のなかからまとめて紹介する。

 新型コロナウイルスの世界的な流行により、美術館やギャラリーが休館や休廊を余儀なくされている。また、アートフェアをはじめとするアートイベントも中止が相次いでいる。政府からも不要不急の外出を控えるように要請されている状況のなか、オンライン環境を活用して、自宅でもアートに触れられる試みが注目を集めている。

 ここでは、美術手帖のこれまでの記事のなかから、自宅でアートを楽しむ方法を「見る」「買う」「学ぶ」の3つの観点から紹介。ぜひ参考にしてほしい。

自宅でアートを見る

 まずは、アートの巨大プラットフォーム「Google Arts & Culture」(以下GAC)のサービスを改めて紹介したい。Googleと世界各地の美術館・博物館が協力し、様々なアーカイブを蓄積してきたGAC。同プラットフォームを利用すれば、インターネット回線を介して、ルーヴル美術館やメトロポリタン美術館といった世界各国の美術館・博物館の情報にアクセスが可能だ。さらにGoogle MAPでおなじみの「ストリートビュー」を使い内部を散策することもできる。

大英博物館からグッゲンハイム美術館まで。ストリートビューで“行ける”美術館・博物館

名作を自宅で鑑賞。世界の主要美術館・ギャラリーが実施するオンラインビューイング&バーチャルツアーまとめ

休館中はオンラインで美術館へ。ストリートビューで見られる美術館リスト

休館を発表した東博に、Googleストリートビューで行こう

 また、GACのスマートフォンアプリでは、セルフィー(自撮り画像)と名画をマッチングさせる「アートセルフィー」や、AR技術でGACに掲載されている名作をARによって現実空間に登場させる「アートプロジェクター」、古今東西の名作を色別に分け、ARの展示室に展示する「The Art of Color」などが提供されており、自宅に擬似的に名画を飾ることも可能だ。

セルフィーと名画をマッチング。Google Arts & Cultureのアプリをトライ

 

ゴッホもレンブラントも目の前に。Googleでアートを楽しむ方法

  休館中の美術館による、「YouTube」や「ニコニコ美術館」といった動画配信サービスを利用した動きも見逃せない。東京国立博物館や東京都写真美術館、森美術館は研究員の解説付きで展覧会を紹介するYouTube動画を公開。また東京国立近代美術館や三菱一号館美術館はニコニコ美術館で展覧会を紹介しており、現在行くことが叶わない展示に触れることができる。

長期化する臨時休館、美術館・博物館の対応は? ニコ生やYouTubeも

東京国立博物館が展示をYouTubeで公開。新型コロナによる臨時休館受け

臨時休館中の東京都写真美術館、展示風景をYouTubeで公開。学芸員による解説も

休館中の展覧会をネットで配信。ドワンゴが「ニコニコ美術館」を無償提供へ

 さらに、主に新型コロナウイルスで休校になった子供たちに向けた動画コンテンツも。京都市と京都芸術センターが共同で立ち上げたウェブサイト「おうちでアート」では美術家や音楽家へのインタビュー動画を公開し、子供たちがアートに親しみを持てる機会をウェブ上でも創出している。

京都市と京都芸術センター、子供向けコンテンツ「おうちでアート」を立ち上げ

 国内のギャラリーでも、オンライン展覧会の開催が活発化している。無人島プロダクションがオンライン展覧会「おんらいん大作戦」を開催。また、すでに終了しているが、佐々木友輔と荒木悠が企画したオンライン映像祭「Films From Nowhere」なども開催された。

無人島プロダクションがオンライン展覧会「おんらいん大作戦」を開催。「温泉大作戦」延期を受けて

自宅でアートを買う

  アートフェアの中止や延期、ギャラリーの臨時休廊などにより、アート・マーケットにも大きな影響が出ている。

 その影響を少しでも減らそうと、ニューヨークのメガギャラリー、デイヴィッド・ツヴィルナーが動き出した。中小ギャラリーとビューイング・ルームを共有するプログラム「プラットフォーム」を立ち上げ、各ギャラリーがオンライン上で展示・販売を実施できる環境を提供している。

デイヴィッド・ツヴィルナーが中小ギャラリーとビューイング・ルームを共有。リソース不足を補う施策

 国内では、アートフェアに出品予定だった作品をオンラインモールで展示販売する試みにも注目したい。「OIL by 美術手帖」のオンライン・ビューイングや、アートフェア東京による「AFT Art Hunting」では、観覧と同時に作品の購入も可能。この機会にアートコレクターとして自室に作品を迎えれば、展覧会とはまた異なるアートの楽しみ方が見つかるかもしれない。

アートフェア中止を受けて「OIL by 美術手帖」が期間限定で「オンライン・ビューイング」を開催。参加ギャラリーは50以上

アート東京がオンラインギャラリーモール「AFT Art Hunting」を公開。アートフェア東京開催中止をうけて

 また、アート・バーゼル香港やアートセントラル2020をはじめとする各種アートイベントが中止となった香港では、改めて香港のアート・コミュニティの結束を強めるべく、オンラインでのプラットフォーム「ART Power HK」が立ち上げられた。ギャラリーツアーやアーティスト・インタビュー、スタジオ訪問などをウェブサイト上で展開しているので、チェックしてみてはいかがだろう。

新型コロナを受け発足。香港アートコミュニティによるオンラインプラットフォーム「ART Power HK」とは?

自宅でアートを学ぶ

 自宅で過ごす時間を使って、アートへの造詣を深めるのもおすすめだ。特に、美術館が公開しているアーカイヴは積極的に利用したい。アメリカ・ロサンゼルスのJ・ポール・ゲティ美術館は、300冊以上のアート関連書籍をオンラインで無料公開している。また、ニューヨークのグッゲンハイム美術館は、同館で開催された展覧会のカタログをオンラインアーカイブサイト「archive.org」に公開。自宅で閲覧することができる。

300冊以上のアートブックが自宅で読める。ゲティによる無料公開をチェック

ピカソにリヒター、リキテンスタインも! グッゲンハイム美術館が200冊の展覧会カタログを無料で公開

 最後に、ウェブ版美術手帖のアーカイヴもおすすめしたい。これまで実施したアーティストやキュレーターをはじめとするアート関係者へのインタビュー、展覧会のレビューが蓄積されている。さらに、『美術手帖』に掲載されたブックガイドもウェブで見ることが可能、自宅でアートの知識を高めるための、読書の手引きとしてぜひ活用して欲しい。

ウェブ版美術手帖|インタビュー

ウェブ版美術手帖|レビュー

ウェブ版美術手帖|シリーズ:BOOK