新型コロナウイルスの影響もあり、目当ての美術館に足を運ぶことが難しいこともある昨今。ここでは現地に足を運ばずとも、ストリートビューで作品を閲覧できる国内美術館をピックアップしてお届けする(スマートフォンではアプリでの閲覧推奨)。Google Arts & Cultureに登録されているミュージアムなら、ウェブ上で館内、あるいはコレクションを閲覧できる。ストリートビューで展示を楽しみながら、いつかぜひ現地を訪れてほしい。
東京国立博物館
日本でもっとも長い歴史を持つ博物館である東京国立博物館。日本と東洋の美術および考古など様々な文化財に関して、収集・保存・修復・管理・展示・調査研究・教育普及事業などを行っており、所蔵品は約11万7000件を数える。常時約3000件を展示している総合文化展の一部をストリートビューで見ることが可能だ。
東京国立近代美術館
皇居のほど近くに建つ東京国立近代美術館は、日本最初の国立美術館として、横山大観、菱田春草、岸田劉生らの重要文化財を含む国内最大級のコレクションを持つ。会期ごとに選りすぐりの約200点を展示し、100年を超える日本美術の歴史を体感できる所蔵作品展「MOMATコレクション」の展示風景を、オンラインで楽しみたい。
国立科学博物館
国立科学博物館は1877年に開館した、日本でもっとも歴史のある博物館のひとつであり、自然史・科学技術史に関する国立の唯一の総合科学博物館。日本およびアジアにおける科学系博物館の中核施設として、調査研究、標本資料の収集・保管、展示・学習支援を推進している。同館のストリートビューでは、豊富な化石や剥製をはじめとした標本資料を、自宅で楽しむことができる。
国立西洋美術館
フランス政府から寄贈返還された印象派の絵画およびロダンの彫刻を中心とするフランス美術コレクション(松方コレクション)を基礎に、西洋美術全般を対象とする唯一の国立美術館として1959年に開館した国立西洋美術館。20世紀を代表する建築家のひとり、ル・コルビュジエが設計した建物は世界文化遺産に登録されている。14〜20世紀初頭までの西洋美術を紹介する常設展を、オンラインでじっくりと観覧可能だ。
東京富士美術館
1983年に東京・八王子に開館した東京富士美術館。日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約3万点を収蔵する東京富士美術館。ルネサンスから現代まで、西洋絵画500年の流れを一望できる作品群をストリートビューで楽しめる。
群馬県立近代美術館
1974年に群馬の森公園に開館した群馬県立近代美術館。ルノワール、モネ、ピカソなど海外の近代美術から、日本の近現代美術、群馬ゆかりの美術などを収集・展示しているほか、日本と中国の古美術を中心とした戸方庵井上コレクションも所蔵しており、西洋・東洋を問わず、幅広い美術を楽しむことが可能だ。
埼玉県立近代美術館
埼玉・北浦和公園に1982年に開館した埼玉県立近代美術館(MOMAS)。モネ、シャガール、ピカソなどの海外の巨匠から日本の現代作家まで、優れた美術作品をコレクションしている。年4回に分けて公開される常設展「MOMASコレクション」をオンラインで観覧することができる。
京都府立堂本印象美術館
近代日本画の大家・堂本印象(1891~1975)の美術館として、1966年に開館した京都府立堂本印象美術館。印象の多様な所蔵作品のみならず、印象自身のデザインによる美術館の内外装もストリートビューで楽しみたい。
三重県立美術館
1982年に開館した三重県立美術館。そのコレクションは、とくに近代洋画については明治〜昭和に至る流れをほぼ概観することができ、江戸時代の美術では曾我蕭白の作品をまとめて所蔵。なかには国の重要文化財に指定される旧永島家襖絵なども含まれ、日本の近世から近代にかけての絵画史をオンラインで体感可能だ。
大原美術館
大原美術館は日本最初の西洋美術中心の私立美術館。倉敷市を基盤に幅広く活躍した事業家の大原孫三郎が、画家・児島虎次郎を記念して1930年に設立した。エル・グレコの《受胎告知》やモネの《睡蓮》をはじめとした西洋近代絵画、民藝運動に関わった作家、現代美術にまで及ぶコレクションをじっくり楽しみたい。
島根県立美術館
「水との調和」をテーマに1999年3月に開館した島根県立美術館。「水」を主題とした国内外の作品のほか、島根ゆかりの美術、浮世絵を中心に、日本の絵画や版画、工芸、西洋絵画、国内外の写真、彫刻など約6700点(2018年現在)を収集・展示。幅広い作品群をストリートビューで自由に見てはいかがだろうか。
足立美術館
足立美術館は、地元出身の実業家・足立全康が収集したコレクションをもとに、1970年に開館。日本画、陶芸、童画、木彫、漆芸など総数2000点のコレクションからなり、とりわけ近代日本画壇を代表する横山大観の作品は高い質と量を誇る。コレクションのみならず、館の建物を囲むように広がる5万坪の日本庭園もオンラインで楽しみたい。
福岡アジア美術館
福岡市のアジアとの交流への先進的な取り組みのひとつとして、1999年に開館した福岡アジア美術館。アジアの近現代の美術作品を系統的に収集し展示する唯一の美術館として、アジア23ヶ国・地域の、多様なジャンルの作品を網羅する約2900点(2017年3月現在)を所蔵。アジアの近代から現代への美術の流れをストリートビューで見ることができる。