時差を超えて交錯するシュルレアリスムと表現の模索
第3章「シュルレアリスムの時差」では、本展の起点となった風車詩社の活動を読み解く作品や貴重な資料を展示する。台湾にシュルレアリスムをもたらすべく日本語で詩を発表していた風車詩社の活動に加え、本章ではシュルレアリスムを自国の文化圏で解釈・受容しようとした同時代の日本の作家たちの作品も並べられている。従来のシュルレアリスムの文脈ではあまり語られる機会の少なかった美術や文学作品が紹介されている点も興味深い。


ここまでの展示は1階で展開され、第4章からは3階へと移動する。第4章「故郷/私 とはなにか」では、日本統治時代の1927年から始まった「台湾美術展覧会(台展)」について取り上げる。日本の帝展をもととする台展は、写生の技術とともに台湾の風土や暮らしを描く「地方色」が重んじられた。本章ではこの台展の出展作を通じて、植民地時代における「台湾を表現することとは何か」という作家たちの問いを見つめる。また、台湾の原住民族に関する展示のほか、台湾で日本画を教えた郷原古統(1887〜1965)と、その教え子である台湾の女性作家たちの作品も紹介されている。


さらに、天井高のある展示室では、垂れ下がるカーテンの奥でゲスト・キュレーターの黄亜歴と李国漢による映像&サウンドインスタレーションも見ることができる。




















