エリック・カールと日本
第4章「エリック・カールのアトリエ」では、日本との関わりが紹介されている。『はらぺこあおむし』の複雑な穴あき製本は、当時米国で引き受け手が見つからず、日本の企業が初版の印刷・製本を担った経緯がある。また、カールは日本にある多くの絵本美術館を視察した経験から「絵本は子供が初めて出会うアートである」と位置づけ、2002年のエリック・カール絵本美術館設立へとつなげた。会場には来日時に制作された作品も展示されている。


また、会場の最後では、エリック・カールのアトリエの様子が再現されている。使用していた画材や薄紙のほか、制作する際に着用していたスモックや靴も展示されており、作家の息遣いが感じられる空間となっている。
世界中の子供に向けた数々の絵本で知られるエリック・カールだが、その創作の軌跡を辿ることで、一作家としての多岐にわたる活動内容が明らかになる。「大人にこそ見てほしい」と八巻がいう本展からは、絵本作家という枠組みを超え、グラフィックデザイナーやアーティストとして、生涯を通じて表現の可能性を模索し続けた姿が浮かび上がってくる。



















