第2章 百万石の文化大名
江戸時代に入り、前田家は「文化大名」としての側面を強める。本章は、その文化的営為に焦点を当てるもの。3代・利常以降、京都から職人を招いて整備された「御細工所(おさいくしょ)」による工芸制作や、5代・綱紀の時代に頂点を迎える蒐集活動が紹介される。

例えば重要文化財の絵巻《荏柄天神縁起》(1319)は綱紀の頃に所蔵されたもの。天神として広く信仰を集めた菅原道真の生涯と、北野天満宮(現京都市)の由来などを描いた絵巻だ。
また、《古今和歌集(清輔本)》《十五番歌合》《十巻本歌合》《金沢万葉集》などの会場に並ぶ多数の国宝は、積極的な書画蒐集の営みをいまに伝える。


なお、本章では16〜17世紀にベルギーで制作されたタペストリー《アエネアス物語図毛綴壁掛》といった舶来美術も展示。古筆とともにこのようなタペストリーを展示することで、前田家の蒐集方針の幅広さ、奥深さを示している。



















