ゴッホ《跳ね橋》が約10年ぶりに来日。宇都宮美術館で大規模展「ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち ヴァルラフ=リヒャルツ美術館所蔵」が開催へ

ゴッホの代表作のひとつ《跳ね橋》が約10年ぶりに来日する。宇都宮美術館で、印象派を中心にその前後の美術動向をたどる展覧会「ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち ヴァルラフ=リヒャルツ美術館所蔵」が開催される。会期は4月19日~6月21日。

フィンセント・ファン・ゴッホ 跳ね橋 1888 キャンバスに油彩 ヴァルラフ=リヒャルツ美術館・コルブー財団蔵
Wallraf-Richartz-Museum & Fondation Corboud, Cologne Photo: © RBA, Cologne

 宇都宮美術館で、開館30周年および市制施行130周年を記念する展覧会「ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち ヴァルラフ=リヒャルツ美術館所蔵」が、4月19日~6月21日に開催される。

 本展は、ドイツ・ケルンのヴァルラフ=リヒャルツ美術館・コルブー財団の協力のもと企画されたもの。同館・財団は19世紀フランス美術において質の高いコレクションを有することで知られ、本展はその充実した所蔵品を通じて、印象派とその周辺を包括的に紹介する機会となる。

クロード・モネ アニエールのセーヌ河 1873 キャンバスに油彩 ヴァルラフ=リヒャルツ美術館・コルブー財団蔵
Wallraf-Richartz-Museum & Fondation Corboud, Cologne Photo: © RBA, Cologne
ピエール=オーギュスト・ルノワール 縫物をするジャン・ルノワール 1898 キャンバスに油彩 ヴァルラフ=リヒャルツ美術館・コルブー財団蔵
Wallraf-Richartz-Museum & Fondation Corboud, Cologne Photo: © RBA, Cologne

 会場では、19世紀後半のフランスで誕生した印象派を中心に、その前後の流れを含めた近代美術の展開を紹介。クロード・モネ、ピエール=オーギュスト・ルノワール、ポール・セザンヌカミーユ・ピサロといった印象派の巨匠に加え、彼らに影響を与えたバルビゾン派のジャン=フランソワ・ミレーやカミーユ・コロー、さらに新印象主義のポール・シニャックなど、計42名の作家による70点が展示される。

カミーユ・コロー ヴィル・ダヴレー 1860-70頃 キャンバスに油彩 ヴァルラフ=リヒャルツ美術館・コルブー財団蔵
Wallraf-Richartz-Museum & Fondation Corboud, Cologne Photo: © RBA, Cologne
エドゥアール・マネ アスパラガスの束 1880 キャンバスに油彩 ヴァルラフ=リヒャルツ美術館・コルブー財団蔵
Wallraf-Richartz-Museum & Fondation Corboud, Cologne Photo: © RBA, Cologne

 なかでも注目されるのが、フィンセント・ファン・ゴッホによる《跳ね橋》(1888)だ。同作は南仏アルル時代に跳ね橋を題材に制作された連作の最終作とされ、鮮やかな色彩と巧みなコントラストによって光あふれる風景を描き出す。日本での公開は約10年ぶりであり、栃木県では初の展示となる。

 また本展は、印象派の成立に至る流れだけでなく、その後の展開にも焦点を当てている点が特徴だ。ポール・ゴーガンやナビ派、さらにはフォーヴィスムへと連なる動向も視野に入れ、印象派を起点とした多様な表現の広がりを立体的に捉える構成となっている。

 さらに、美術鑑賞に親しみのない来場者や子供にも配慮した取り組みも用意されている。小中学生は入場無料とされ、展示理解を助ける鑑賞ガイドも配布。クイズや塗り絵を通じて、作品を体験的に学ぶことができる。

 印象派という枠組みを超え、近代美術の多様な流れを見渡す本展は、ゴッホの代表作を核に、19世紀美術の広がりをあらためて捉え直す機会となりそうだ。

編集部

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