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「浦川大志個展 スプリット・アイランド」(福岡市美術館)会場レポート。福岡の美術史を引き継ぐ「風景」が生まれるまで【3/4ページ】

他者との影響関係により広がる作風

 第4章「合作と協働」は、浦川が他者との対話を通じて生まれた作品を紹介する。浦川は長谷川白紙をはじめとしたミュージシャンのアルバムのジャケットを描いてきた。これらはコミッションワークとして制作されており、実際にアルバムを聴いた浦川が、その楽曲の曲調を平面に落とし込むことを試みたという。長谷川のアルバム『エアにに』(2019)のジャケットとなった同名作品を見つつ、楽曲を聴いてみるのもいいだろう。

長谷川白紙『エアニニ』のジャケットとして制作された《エアニニ》(2019)。松のモチーフ、グラデーション、キャラクターの断片と、この時期の浦川が多用するモチーフがコンパクトに集約されている

 また25年の夏には、滋賀県の信楽で、美術家の梅津庸一との共作絵画に取り組み、さらに梅津の勧めにより、版画工房カワラボの協力で銅版画を制作。浦川が用いるアクリル絵具と絵筆とはまったく異なる、制御の難しい技法に向き合うことで自身の表現を広げようとしていった。

第4章「合作と協働」。梅津庸一との共作絵画や浦川の所蔵作品コレクションなどが展示されている

 本章では浦川が買い集めた絵画のコレクションも展示されている。菊畑茂久馬、オチオサム、塩見允枝子、山内祥太、横山裕一、ライアン・ガンダー、Chim↑Pom from Smappa!Group、藤城嘘、布施琳太郎といったコレクションからは、制作とはまた異なるかたちでの浦川の絵画への執着を見て取れる。

展示されている浦川の作品コレクション。作品リストもあり、浦川がどのようなアーティストに興味を持ってきたのかを知ることができる

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