第2章「ラリック ジュエリーからガラスへ」
第2章「ラリック ジュエリーからガラスへ」では、ラリックの活躍を2つの分野から紐解く内容となっている。親戚の影響からデザインの世界に踏み込んだラリックは、1882年にジュエリーデザイナーとして独立する。ラリックが手がけるジュエリーは、ガラスや七宝などの素材を用いた、生命感を感じさせるデザインとなっている点が特徴的だ。たとえば《ブローチ 翼のある風の精》(1898)では、蝶の羽を模したような翼を持つ風の精霊がモチーフとなっており、翼には大小のダイヤモンドが埋め込まれている。また《ガラスの指輪》(1931)は、金属を使わずすべてガラスで造形することで、どこから見ても光を通した輝きを楽しむことができるようになっている。ガラスの透光性を最大限に生かしたデザインだ。


1900年に開催されたパリ万国博覧会では、こうしたジュエリーが人気を博したが、その後ラリックは香水瓶のデザインをきっかけにガラス作品を本格的に制作しはじめる。ガレやドーム兄弟とは対照的に、ガラスの輝きと透明感のある色彩を活かした作品を多く手がけた。またデザインの大胆さもその特徴のひとつといえよう。会場で紹介されている《香水瓶 4匹のセミ》(1910)では、作品名の通りセミがモチーフになっている。ほかにも、野原の草花やギリシア神話の女神たちまで、様々なモチーフを美しいガラス作品へ落とし込んだ。作品に近寄り、その精巧なデザインに目を凝らしてほしい。




















