福島・浜通りの12市町村が舞台。「ハマカルアートプロジェクト2026」が地域滞在と表現活動を支援

福島県の浜通り地域を中心とする12市町村で、アーティストによる滞在制作を支援する「ハマカルアートプロジェクト2026」の公募がスタートした。4年目を迎える同プロジェクトは、地域住民との交流や土地の歴史・文化との出会いを通じ、新たな創造活動を育む取り組み。アーティストのみならず、アーティストと協働する団体・事業者も対象となる。

秋元菜々美が行った「ガラージュ夜の森穴火祭り」(富岡町)

 福島県の浜通り地域を中心とした12市町村を舞台に、アーティストの滞在制作を支援する「ハマカルアートプロジェクト2026」の公募が始まっている。主催するのは、ハマカルアートプロジェクト2026事務局(株式会社Wasshoi Lab)。応募受付期間は2026年6月19日15時までとなる。

アート、音楽、写真、演劇など、ジャンルを超えたあらゆるカルチャーと多くの人とつながりを願いデザインされたロゴ

 本プロジェクトの対象地域となる「福島12市町村」は、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う避難指示の対象となった、田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村。東日本大震災と原発事故によって、地域の暮らしやコミュニティが大きな影響を受けたこの地で、文化芸術の力を通じた新たな交流や価値創出を目指す試みだ。

 「Culture」の語源であるラテン語「Colere(耕す)」に着目した同プロジェクトでは、アーティストが一定期間地域に滞在し、人々と交流しながら制作活動を行う。その過程で、地域に根差した歴史や伝統、生活文化との出会いを創造的活動へと接続し、「地域内の人と人のつながり」「地域内外の対話や賑わい」「地域文化の再発見」「新たな内発的価値」の創出を目指している。

合同会社シネマ健康会による撮影風景(楢葉町)
永井文仁による制作場所風景(浪江町)

 支援対象は、本事業の趣旨に共感し、交付決定日(2026年8月上旬予定)から2027年2月15日の間に福島12市町村で創作活動を行うアーティストや支援団体など。1事業あたり100万円〜1000万円の補助が用意される。人件費や滞在費、制作・展示費、ワークショップ運営費なども対象経費に含まれる。

 2027年1月30日〜2月7日には成果報告イベント「ハマカルアートウィーク」も開催される。

 近年、地域とアートの関係性を問い直すプロジェクトが各地で広がるなか、「ハマカルアートプロジェクト」は、たんなる地域振興や観光施策にとどまらず、「ともに暮らし、関係を築くこと」そのものを重視している点が特徴的だ。土地に滞在し、地域の声や記憶に触れながら表現を立ち上げていくプロセスは、震災以後の福島を考えるうえでも重要な実践となるだろう。

ガッチ株式会社の作品展示風景(浪江町)
Hi there合同会社によるレンズ付きフィルムワークショップ(南相馬市)
東北芸術工科大学による公開制作風景(楢葉町)

編集部