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「ルーシー・リー展 ー東西をつなぐ優美のうつわー」(国立工芸館)開幕レポート

国立工芸館で、20世紀を代表するイギリスの陶芸家、ルーシー・リーの10年ぶりとなる大回顧展がスタートした。同展では、ヨーロッパと東洋の双方からその造形世界を紐解き、リーの作品が日本でいかに受容されてきたのかを探るものとなっている。

文・撮影=三澤麦(ウェブ版「美術手帖」編集部)

展示風景より、ルーシー・リー《ブロンズ釉花器》(1980)

 金沢の国立工芸館で、20世紀を代表するイギリスの陶芸家、ルーシー・リー(1902~1995)の大回顧展「移転開館5周年記念 ルーシー・リー展 ー東西をつなぐ優美のうつわー」がスタートした。会期は11月24日まで。監修は岩井美恵子(国立工芸館 工芸課長)、担当学芸員は宮川典子(国立工芸館 任期付研究員)。

 ルーシー・リーは、オーストリア・ウィーン生まれの陶芸家だ。ウィーン工業美術学校でろくろに出会い、その後陶芸の道へと進むこととなる。作家としての地位を確立するものの、1938年には戦争の影響で亡命を余儀なくされ、活動の場をイギリス・ロンドンへ移した。日本においては、89年に草月会館で開催された三宅一生による展覧会をきっかけに人気を博し、今日に至るまでファッション誌やライフスタイル誌などでも定期的に取り上げられている。そして、93歳でこの世を去るまで、精力的に作陶を続けていたという。

 本展は、そんな作家の10年ぶりとなる大回顧展であり、国立工芸館の移転5周年の節目に開催されるものとなる。同館に寄託された井内コレクションの作品を中心に、ルーシーが出会った人、もの、場所、そして時代背景を交えながら、その作品を全4章で紐解く構成となっている。

展示風景より

編集部