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子供たちが触れられる博物館収蔵品。「ハンドリング・コレクション」の意義とは?

ロンドンのホーニマン博物館では主に課外授業でやってくる小学生たちのために、実際に触れることができる所蔵品ハンドリング・コレクションを使ったグループセッションを行っている。週に20回近くも行われるほどの人気プログラムに迫る。

文=坂本みゆき

ホーニマン博物館のハンズ・オン・ベースに並ぶハンドリング・コレクションPhoto by Joel Knight

19世紀末開館、圧倒的所蔵品数を誇る博物館

 ロンドン南東部のフォレスト・ヒルに位置するホーニマン博物館は、ユニークな所蔵品で名高い。19世紀初頭に父が起こした紅茶輸入会社を受け継いだフレデリック・ホーニマンによって1890年にオープンし、資産家として世界中を旅した彼が各地から集めた品をもとに、現在では所蔵品総数は人類学、自然科学などを中心に35万点を超える。2002年にスタートしたハンドリング・コレクションには、それらのなかから人々が実際に手に触れることを前提に選んだおよそ3500点の品々が並ぶ。

 ハンドリング・コレクションへ収められた品々は、常設展に陳列されている展示物同様に厳しい基準で選ばれている。植民地からの収集とは関係がなく、ワシントン条約も遵守していなくてはならない。ただ珍しいものを並べているだけではなく、倫理的にも適切であるかどうかを時間をかけて審議してセレクトしているという。

ホーニマン博物館
Photo by Andrew Lee

博物館に無縁な子供たちも魅了するセッション

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