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廃墟がアートと食の複合施設「大谷グランド・センター」として開館。YOSHIROTTEN初の常設作品も【2/2ページ】

 《大谷石景》が展示されるのはかつての浴室。床からから壁まで大谷石に囲まれたユニークな空間に魅せられたというYOSHIROTTENが、空間をそのまま活用した。

YOSHIROTTEN《大谷石景》の展示風景

 作品制作においては、YOSHIROTTENがこの特徴的な空間と大谷周辺地域の歴史をリサーチ。フィールドワークでハンドスキャニングした素材をもとに制作された30種類ものデジタルドローイングが空間中に投影され、鑑賞者と作品が相互的に関わる場が出現した。響く音には、フィールドレコーディングされた素材が使われており、まさに全身で作品に“浸かる”ことができるスペースとなった。

YOSHIROTTEN《大谷石景》の展示風景
YOSHIROTTEN《大谷石景》の展示風景

 1階にはこのほか、もともとこの場所にあった巨石に複数のネオンを組み合わせた《Transtone》などが展示。同作のネオンは、大谷石の表面に生まれる「ミソ」と呼ばれる斑点にあわせて設置されており、石の質感と融合しているといえる。YOSHIROTTENが「石は地球の記憶装置」と語るように、石が太古からのメッセージをこちらに伝えるかのように光を放つ。

《Transtone》の展示風景
代表作である《SUN》も展示

 なお、大谷グランド・センターには、食を通じてこの土地の魅力を伝えるレストランもオープン。栃木出身の料理人・相場正一郎(LIFEオーナーシェフ)と、スイーツの名匠・江森宏之(メゾンジブレーオーナーパティシエ)が初めてタッグを組み、この土地ならではの一皿も提供される。

2階のレストラン・カフェエリア

編集部