「神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond」開幕レポート。アートとの偶然の出会いを通じて「環境」について思考する【4/9ページ】

 またこのエリアには、野外アートゾーンと呼ばれる2023年に整備された会場もある。会期を問わず年間を通じて作品を常設公開しており、各作品は設置から3年後に新しい作品と入れ替わる。

 三梨伸による《プリンセス ドリアンとその一族》は、会場ができた2023年から展示されている。その土地の素材を使って制作する三梨は、本作を焼成された陶土でできた人型と球形のオプジェ、そして本御影石で構成する。本作は毎年その規模を拡大しており、中央に設置されたサンバチームのダンサーを模した「プリンセス ドリアン」の周りには、仲間がさらに加わり華やかな様相となっている。

展示風景より、三梨伸《プリンセス ドリアンとその一族》(2023〜25)

 昨年より展示されている髙橋瑠璃の《2人の秘密の時間を過ごす》も、昨年よりさらに拡大している。大きな石で顔がつくられているが、目の部分は動くようになっている。展示エリアの左右上下に設置されている本作は、それぞれの視線が交差するように配置されている。

展示風景より、髙橋瑠璃《2人の秘密の時間を過ごす》(2024〜25)

 ほかにも、さわひらきの《shadow step》、さとうりさの《こはち》など、森の中で様々な作品に出会うことができる。

展示風景より、さとうりさ《こはち》(2024)

編集部