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特別展 「小沢剛の讃岐七不思議」(香川県立ミュージアム)開幕レポート。独自の視点で切り出す知られていない讃岐の姿【2/6ページ】

 そんな小沢が改めてこの地域で取り組むのは、「七不思議」というテーマ。2008年に金沢で始め、17年ぶりとなる本テーマは、独自の視点で「見るべき、あるいは知っておく"べき"モノ・コト」に着目したものとなっている。「七不思議」という言葉はオカルト要素を感じさせるが、本来「7つの知っておくべきこと」という意味であった。本展は様々な土地を旅しながらリサーチを重ねる小沢が、讃岐という土地で発見した、まだあまり知られていないが皆が知るべきモノ・コトに焦点を当てた内容となっている。

 「七不思議」という言葉に基づき、7つのセクションにわかれて構成される本展は、歴史博物館と美術館の機能をあわせもつ同館ならではの内容となっている。本企画は、同館が収蔵する歴史・美術・民俗などに関する膨大な資料、情報を知る学芸員たちと小沢による対話によって実現した。貴重な所蔵品とともに、それらにインスピレーションを受けて制作された小沢の新作が同じ会場内に展開されている。

 讃岐の「風景」に着想を得た「一の不思議」では、同館所蔵品とともに、讃岐のやさしい風景を綿や羊毛で再現されたものがガラスケースの中に閉じ込められた《やさしい形の風景とやさしい形の作品と並べてみた》が展開されている。ケース内の水面を模した水平地点に目線を合わせると、まるで讃岐の風景を追体験するかのように感じられる。

「一の不思議」の展示風景より

編集部