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「瀬戸内国際芸術祭2025」夏会期(大島、引田、志度・津田エリア)開幕レポート。地域に眠る人々の記憶に眼差しを向ける【6/6ページ】

 平賀源内旧邸では、筧康明によるインタラクティブ作品《Echoes as Air Flows》《Air on Air》が展示されている。作品の手前に設置されているセンサーに息を吹き込むことで、作品に変化をもたらすことができるほか、遠隔地とリンクして作品が起動するような仕組みだ。こちらも平賀源内そして瀬戸内という場所ならではの仕様となっているためぜひ体験いただきたい。

展示風景より、筧康明《Echoes as Air Flows》
展示風景より、筧康明《Air on Air(Ver. Setouchi)》

 志度から車で20〜30分ほどにある津田エリアでは、松林のなかでケイトリン&ウェインが1.3万枚のメガネレンズを用いたインスタレーションを展開している。松林の静かな空間で作品を鑑賞しながら、毎日の時間の流れ、そして歴史という大きな時間の流れにゆっくりと想いを巡らせてみてほしい。

展示風景より、ケイトリン・RC・ブラウン&ウェイン・ギャレット《時間との対話》
展示風景より、ケイトリン・RC・ブラウン&ウェイン・ギャレット《時間との対話》

 本レポートでは、夏会期からスタートする展示と、新エリアについての情報をお届けした。引田、志度・津田のエリアは夏会期のみ21時まで作品を鑑賞することができるため、日没の涼しい時間帯に足を運ぶのもよいだろう。

 ほかにも、この瀬戸芸の玄関口とも言える高松港では、UNHCR × 瀬戸内国際芸術祭 ホンマタカシ「SONGSーものが語る難民の声」や、ベトナムにフォーカスし、アートや工芸、デザイン、食など様々な切り口からその魅力を紹介する「ベトナムプロジェクト」なども実施されているためこちらも注目したいイベントだ。

 また、同芸術祭のメイン会場でもある犬島の「犬島 くらしの植物園」には、建築家・妹島和世によるパビリオン「HANA(ハナ)」も公開されたばかりだ。夏会期も見どころが盛りだくさんのため、本レポートが周遊ポイントの参考になれば幸いだ。

編集部