写真家・ホンマタカシがとらえる難民の姿。「瀬戸内国際芸術祭2025」でUNHCRとコラボ

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)駐日事務所が、来年開催される「瀬戸内国際芸術祭2025」においてホンマタカシとコラボレーションし、難民一人ひとりの物語や旅路に焦点を当てた写真展を開催する。

©︎Takashi Homma

 UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)駐日事務所が、2025年に開催される「瀬戸内国際芸術祭2025」において、写真家・ホンマタカシとコラボレーションした展示を行う。

 UNHCRは難民、国内避難民、無国籍者などを国際的に保護・支援するため、世界約135ヶ国で活動する国連の難民支援機関(本部:ジュネーブ)。1954 年と1981年にノーベル平和賞を受賞している。

 いっぽうホンマは1962年東京都生まれの写真家。99年に写真集『東京郊外』(光琳社)で第24回木村伊兵衛賞を受賞。2004年には写真家・中平卓馬を追った映画『きわめてよいふうけい』を撮影。11年から12年にかけ、自身初となる美術館個展「ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー」が金沢21世紀美術館、東京オペラシティ アートギャラリー、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館の3館で開催され、23年から24年にかけては東京都写真美術館で個展「即興」を開催した。

 UNHCRとホンマは今回、難民一人ひとりの物語や旅路に焦点を当てた写真展を、芸術祭実行委員会と共催で開催。ホンマがUNHCRが支援活動を行う国内外の現場などを訪ね、難民などの姿をファインダーを通してとらえ、それぞれが避難生活を続けるなかでも手放すことのなかった「大切なもの」を記録した写真を通じて、統計などからは見えてこない一人ひとりの物語に光を当てるという。

 また芸術祭に先駆け、UNHCR駐日事務所のウェブサイトに開設した2024年「世界難民の日」(6月20日)の特設ページでは、ホンマが日本国内で暮らす難民の背景を持つふたりの姿をとらえた作品がメインビジュアルに起用。被写体となったのは、難民の背景を持つ若者と日本の若者でつくるユース団体「EmPATHy」の初代共同代表として活動するアナス・ヒジャゼィ氏と、スザン・フセイニ氏だ。ともにシリア出身で、2011年から現在まで続く紛争によって人生が一変した。いまは日本で暮らす二人の姿が、ウェブストーリーとして紹介されている。

 なお6月15日13:00〜14:00には、二子玉川 蔦屋家電のイベントスペースで、ホンマとアナス氏、スザン氏が本企画で撮影した写真を鑑賞しながら、故郷を追われた人々がたどる”旅路”について考えるパネルトークも開催。また、二子玉川 蔦屋家電 1F POP-UPスペース/2F ギャラリー1では、「難民のものがたり」をテーマにした本の展示(6月15日~23日)も行われる。

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