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歌舞伎町で見る春画150点。「新宿歌舞伎町春画展 ー 文化でつむぐ『わ』のひととき。」開幕レポート【2/3ページ】

 浦上は本展に際して、「私は45歳から春画を集めだした。それまでは毛嫌いしていたが、本物の春画を見て目が覚めた。春画は本物を間近で見ることが大事。暗い日本が、春画で少しでも元気になってもらえれば」と語る。

 いっぽう、企画者である手塚は「たまたまこの能舞台を購入したことで、日本文化に触れられるようになった。日本文化を発信する場所にしたいと考えてきた」としつつ、春画展開催の背景については「歌舞伎町と春画の存在は似ていて、あるイメージで思考停止されてしまう。しかし一歩踏み込むと奥が深い世界が広がっている。それもあり、春画展を開催したいと考えてきた」。

展示風景より

 会場は新宿歌舞伎町能舞台とホストクラブ跡地の2会場。多くの作品は低いガラスケースの中に展示されており、シンプルな構成だ。こうした展示について手塚は、「歌舞伎町で春画展というだけで情報量があるので、これまでと違う春画展にしなければ意味がない。作品の力を信じて、いかに引き算をするかを考えた」と話す。「春画を“崇高なもの”として扱うのではなく、もともとあるポップ・カルチャーとしての性質を重視した。江戸時代の感覚になり、みんなが輪になって作品を見られるように構成している」(手塚)。

展示風景より
展示風景より、歌川国虎《祝言色女男思 天地人》(1825)

編集部