• HOME
  • MAGAZINE
  • NEWS
  • REPORT
  • 「加藤泉 何者かへの道」(島根県立石見美術館)開幕レポート。…

「加藤泉 何者かへの道」(島根県立石見美術館)開幕レポート。過去最大規模の個展でたどる表現の変遷【2/4ページ】

 1000平米の大展示室に広がる「何者かへの道」は、5つのチャプターに分かれており、1987年から2024年まで、クロノロジカルに加藤の作品を追うことができる。

 加藤は武蔵野美術大学在学中はあまり絵を描かず、バンド活動にあけくれたという。しかし卒業後に働きながら絵を描き続け、画家としての道を歩み出した。展示の冒頭には美大予備校・学生時代に描いた自画像、バスキアの影響が色濃く見える平面作品などが並んでおり、加藤泉の原点を垣間見ることができる。

 90年代半ばから、現在の「人型」につながる片鱗を確認することができる。また現在の加藤の作品はほぼ《無題》だが、この頃の作品には具体的な作品名が付けられていることが特徴だ。

「何者かへの道」展示風景より、中央が《自画像》(1988)
「何者かへの道」チャプター1展示風景より
「何者かへの道」チャプター1展示風景より