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「加藤泉×千總:絵と着物」開幕レポート。京友禅の老舗と現代美術の融合で着物文化をアップデート

京友禅着物の老舗・千總と、現代美術家・加藤泉が作品を共同制作。それらを展覧する「加藤泉×千總:絵と着物」が、京都・三条烏丸の千總ギャラリーで始まった。会期は9月2日まで。

文・撮影=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長)

展示風景より、手前から《Untitled(ミミズク Horned Owl - Blue)》、《Untitled(ゼンマイ Fern Shoot - Ocher)》(ともに2024)

着物文化への危機意識

 京友禅着物の老舗・千總(ちそう)と、現代美術家・加藤泉。両者が出会い、見事な作品が生み出された。

展示風景より、手前から《Untitled(ゼンマイ Fern Shoot - Black)》、《Untitled(ミミズク Horned Owl - Orange)》、《Untitled》(すべて2024)

 千總は1555年、京都・烏丸三条で創業。2025年に470周年を迎えた京友禅の老舗中の老舗だ。室町時代に法⾐装束商としてスタートした千總は「伝統とは、守ることでなく創ること」という代々の教えのもと、着物の新たな美しさや⽂化の提案を続けてきた。かつて明治時代には京都の絵師たちと協業し、進取の気性に富んだ京友禅のデザインを打ち出し、近年はモンブランやグローブトロッター、サントリーなど国内外でコラボレーションも積極的に展開。外部のクリエーションと出会うことで、時代に即した表現を続けてきた。

 千總代表取締役社長・礒本延は、昨今の着物をめぐる状況に関して、「着物文化は苦しい立場に追いやられている。着物に対して目を向けていただく機会が非常に少ない」と語る。そうしたなか、伝統や技術、美意識を継承し、着物を再解釈するために選んだパートナーが、国際的に活躍するアーティスト・加藤泉だった。

加藤泉

編集部

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