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「究極の国宝 大鎧展─日本の工芸技術の粋を集めた甲冑の美の世界─」(春日大社)開幕レポート。甲冑のふるさと・奈良に国宝 大鎧が集結【3/7ページ】

 いっぽう、向かって右手に展示されているのは、青森県 櫛引八幡宮に所蔵されている、国宝 赤糸威鎧(菊一文字の鎧兜)。南朝方から、いまでいう東北地域で活躍していた南部家に伝承されたとされている。長寿の吉祥を象徴する菊の花のモチーフが幾重にも重なっている装飾が特徴的。国宝 赤糸威大鎧(竹虎雀飾)を西の横綱と呼ぶのに対し、こちらは東の横綱と呼ばれ、東西で名を張る絢爛豪華な大鎧とされている。こちらは総重量34.6kg。

展示風景より、櫛引八幡宮所蔵国宝 赤糸威鎧(菊一文字の鎧兜)【通期展示】
展示風景より、櫛引八幡宮所蔵国宝 赤糸威鎧(菊一文字の鎧兜)【通期展示】

 この二領を背にしたすぐのところに展示されているのは、逆沢瀉威鎧雛形 模造(さかおもだかおどしよろいひながた もぞう)。これは皇居三の丸尚蔵館が所蔵する逆沢瀉威 鎧雛形を大正15年に堀越紫郷が模造したもの。初期の大鎧の製作方や形態を調べる資料として大変貴重なものとされている。

展示風景より、東京国立博物館蔵 逆沢瀉威鎧雛形 模造【通期展示】