大阪市立美術館で大阪・関西万博開催記念 大阪市立美術館リニューアル記念特別展「日本国宝展」が開催される。会期は2025年4月26日〜6月15日。
本展は、2025年の大阪万博の開催と、大阪市立美術館のリニューアルオープンを記念して開催されるもの。国宝を通して、日本文化への理解を深める契機となることを目指し、約130件の国宝が一堂に集まる。
第1部「ニッポンの国宝―美の歴史をたどる」は全6章構成。第1章「日本美術の巨匠たち」では、雪舟筆《四季山水図巻》(室町時代)や、狩野永徳筆《唐獅子図屏風》(桃山時代)、伊藤若冲筆《動植綵絵 群鶏図》(江戸時代)のほか、岩佐又兵衛や長谷川等伯といった誰もが耳にしたことがある日本美術の巨匠の作品が並ぶ。
第2章「いにしえ文化きらきらし」では、《土偶(縄文のヴィーナス)》(縄文時代)や《金印「漢委奴国王」》(弥生時代)から、平安時代の蒔絵箏や南北朝時代の染織品など、古代からの華やかな文化を紹介。
第3章「祈りのかたち」は《鑑真和上坐像》(奈良時代)や《孔雀明王像》(平安時代)といった仏像や仏画といった仏教美術などをまとめて紹介。第4章「和と漢」は天皇や武家を描いたやまと絵の肖像画から水墨画、中国絵画などを展示する。
第5章「優雅なる日本の書」は、平安時代に隆盛した「和様」の書から流麗なかな作品まで、書にまつわる名品を展示。第6章「サムライ・アート」では太刀や鎧といった、武士の誇りでありその精神性を表した作品群が紹介される。
第2部「おおさかゆかりの国宝―大阪の歴史と文化」では、多くの社寺に集まった文物や、実業家らのコレクションなど、大阪ゆかりの国宝を紹介する。
同館館長の内藤栄は本展の目指すところについて、記者会見で次のように語った。「国宝は先人が考え、後世に残そうとした未来社会のデザインでもあると思っている。そこから得られるものは多く、またそれを未来に引き継いでいくという視点で、万博とともに楽しんでほしい」。
また、同館学芸員の山下真由美は本展の意義について次のように語った。「国宝展はこれまで多くを所蔵する国立館で開催されることが多く、大阪での開催はなかなか叶わなかった。今回、万博とリニューアルオープンというふたつの節目によって、大阪に国宝が集められ、国内外の人に見てもらえることを大変嬉しく思う」。