今年でスタートから10年を迎え、ダウンロード数1400万人を誇る「刀剣乱舞ONLINE」(以下、刀剣乱舞)。日本の名刀を擬人化させることで多くのファンを魅了するこの人気コンテンツが、学芸員の研究支援に乗り出した。
「刀剣乱舞」の原作を担当する株式会社ニトロプラスは、これまでも名刀「蛍丸」(鎌倉時代につくられたとされ、1931年に旧国宝に指定されるも第二次大戦時に行方不明になった)の復元再生など個別の案件に寄付金を拠出するなど、刀剣文化支援に取り組んできた。その取り組みを制度として整え、今年3月に設立されたのが一般社団法人刀剣文化研究保全機構だ。
同機構の原資は、刀剣乱舞初のサブスクリプションサービス「本丸刀剣保存会」(月額880円、年額8800円)による売上からの寄付。これをもとに機構の運営費、事業費を賄う。その事業のなかでも、特筆すべきが学芸員を対象とした調査研究助成だ。この仕組みはなぜ生まれ、何を狙うのか? ニトロプラス代表の小坂崇氣と、同機構執行理事を務める橋本麻里に話を聞いた。
