鎧兜という「殻」を媒介に。野口哲哉の個展 「armored space」が銀座 蔦屋書店で開催

「鎧と人間」をテーマに制作を続ける現代美術作家・野口哲哉。その立体作品、新作平面作品、スケッチ、ドローイングなどによってその世界観に迫る個展「armored space」が銀座 蔦屋書店で開催される。会期は8月16日〜8月31日。

左から野口哲哉《sky -jet pack 1》《Armored space》

「鎧と人間」をテーマに制作を続け、独自の世界観を人気を誇る現代美術作家・野口哲哉。その立体作品、新作平面作品、スケッチ、ドローイングなどを展覧する個展「armored space」が銀座 蔦屋書店にて8月16日〜8月31日の会期で開催される。

 野口は1980年香川県高松市生まれ。2003年に広島市立大学芸術学部油絵科を卒業後、05年に同大学大学院を修了。近年では21年に巡回展「THIS IS NOT A SAMURAI」(高松市美術館、山口県立美術館、群馬県立館林美術館、刈谷市美術館)を開催し話題となったほか、海外ブランドとコラボレーションするなど、その活躍は多岐にわたる。

左から《Aemored cycling》《sky -egg chair》

 野⼝は、鎧兜のことを「⼈間が作り出した殻」としてとらえており、そこに様々な思想や価値観を投影する。その人物像には 明確な喜怒哀楽ではなく、ニュートラル(中⽴的)に表現され、あらゆる状況に適合して生きる⼈間の柔軟さを浮き彫りにしている。 

 野⼝は⽴体だけではなく、多くの平⾯作品にも取り組んでおり、アクリル絵具を⽤いた古典絵画のような技法から、ライトなイラストレーションまで、その表現の幅は広い。

 本展では、樹脂や化学繊維で制作された⽴体作品のほか、作品の構想の過程で⽣まれた様々なスケッチやデッサン、展⽰主題である「アーマード・スペース」(アーマード=鎧をつけた)をテーマに制作した新作平⾯作品なども展⽰。鎧を媒介として様々な思考や価値観が交錯する野口哲哉の独自の世界観を網羅できる貴重な機会となっている。またトークイベント、作品販売、グッズ販売も行われるため、詳しくは特設サイトをチェックしてほしい。

編集部

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