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「アート・オブ・ザ・リアル 時代を超える美術ー若冲からウォーホル、リヒターへー」(鳥取県立美術館)開幕レポート【7/9ページ】

第5章「事件と記憶」

 震災や疫病、戦争など、絶えず人々を不安に陥れてきた様々な社会的現実。本章は、そうした題材をアーティストたちがいかに表現してきたのかを、事件や記憶をキーワードに探ろうとするものだ。

 藤田嗣治が描いた戦争画のなかでももっともよく知られる《アッツ島玉砕》(1943)をはじめ、ミレーの《晩鐘》を引用して戦争を表現した森村泰昌の《Brothers(A Late Autumn Prayer)》(1991)、ピカソのゲルニカを連想させる山本敬輔《ヒロシマ》(1948)、そして志賀理江子が東日本大震災で津波に襲われた砂浜に棒で絵を描き、それを撮影した《螺旋海岸46》(2011)などが並ぶ。

展示風景より、藤田嗣治《アッツ島玉砕》(1943)
展示風景より、森村泰昌《Brothers(A Late Autumn Prayer)》(1991)、山本敬輔《ヒロシマ》(1948)
展示風景より、右が志賀理江子《螺旋海岸46》(2011)

編集部