1960年、住友家旧蔵の美術品を保存・公開するため財団法人泉屋博古館が設立され、その10年後に京都本館1号館が竣工した京都・鹿ヶ谷の泉屋博古館。現在改修休館中の同館が、2025年4月にリニューアルオープンを迎える。
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泉屋博古館は、2002年に京都の分館として六本木一丁目の住友家旧麻布別邸跡地に開館した「泉屋博古館分館」が、22年3月に泉屋博古館東京として生まれ変わった。京都のリニューアルはこれに続くものだ。
まず今回の改修では、企画展の開催会場として使用される新しい展示室が誕生。コレクションの主役である青銅器館の展示も刷新される。
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また青銅器館では、建物の意匠をこわしていた中央階段の車いす用リフトを撤去し、竣工当時の姿がお目見え。リフトの移設先には「泉屋博古の庭」を臨む新しいスポット「眺めのいい部屋」が設けられる。
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エントランスには、美術館の新たな「顔」とも言える現代のニーズに対応する大きなインフォメーションカウンターが出現。大きな荷物を預けることも可能だ。改修前はインフォメーションの一角で取り扱っていたミュージアムグッズだが、リニューアルにあわせてミュージアムショップも新装オープン。オリジナルグッズも続々登場し、ここでしか買えない商品も取り扱うという。
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ユーザビリティの観点では、門から建物への石畳のルートを車いすも通れるバリアフリーに改良。また多目的トイレや授乳室も新設される。
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美術館の世界でキャパシティオーバーが問題となっている収蔵庫。泉屋博古館では、脆弱な文化財を安全に保存するため、収蔵庫も増築されるという。
なお、2025年4月26日からはブロンズギャラリー「中国青銅器の時代」(青銅器館、4月26日〜8月17日、9月27日〜12月14日)と「帰ってきた泉屋博古館 いにしえの至宝たち」(企画展示室、4月26日〜6月8日)の2つが開催され、リニューアルオープンを飾る。
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