エピローグ「境界を越えて」
エピローグは「境界を越えて」。「分断」という言葉が頻繁に叫ばれる現代。「老い」や「死」に対してポジティブに向き合うやなぎみわの「My Grandmothers」シリーズや、自らのセクシャリティ・マイノリティとしてのアイデンティティの揺らぎと沖縄の歴史や政治性を題材にしたミヤギフトシの《アメリカン・ボーイフレンド:ザ・オーシャン・ビュー・リゾート》(2013)などの作品で、様々な境界を超え行く美術の可能性を提示するものだ。


初めて美術館に来るであろう人々にとっても興味関心を持ってもらえるよう、比較的とっつきやすいテーマと膨大な作家・作品をラインナップしたこの展示。鳥取出身の尾崎館長は本展に関して「これだけの点数を集める展覧会は日本国内でもそうそうない」と自信を覗かせる。同館の年間来館者目標は20万人。新たな美術館がどう受け入れられるのか注目だ。


