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「大カプコン展 ―世界を魅了するゲームクリエイション」(大阪中之島美術館)開幕レポート。ゲーム制作者はどのように名作をつくり出したのか【5/5ページ】

 「BONUS STAGE」の章では、モーションキャプチャーによってゲームのキャラクターの動きを来場者が自らの身体によって作り出せる「モーションキャプチャーミラー」や、元レスリング女子日本代表選手の吉田沙保里が「ストリートファイター6」のなかに入り込み、リュウと対戦する展示「吉田沙保里 vs リュウ –私より強い奴に会いに行く–」などを楽しむことができる。

「BONUS STAGE」展示風景より、「モーションキャプチャーミラー」 ⓒCAPCOM
「BONUS STAGE」展示風景より、「吉田沙保里 vs リュウ –私より強い奴に会いに行く–」 ⓒCAPCOM

 最後となる「FINAL ROUND」は、カプコンでゲーム開発に携わる開発者12人のインタビュー映像を上映。さらに、この章で圧巻なのは「伝説の企画書」と題された、過去の名作の企画書の展示だ。例えば「ストリートファイターⅡ」であれば格闘時の動きがどのように設計されたのか、「ロックマン」であればボスを倒して入手した武器をいかに活用できるようにしたのか、ゲームの根幹に関わるコンセプトに触れられる。

「FINAL ROUND」展示風景より、開発者インタビュー ⓒCAPCOM
「FINAL ROUND」展示風景より、伝説の企画書たち ⓒCAPCOM

 また、「ストリートファイターⅡ」の世界各国を舞台にしたステージの背景美術スケッチも見応えがある。各スケッチはスキャナーで取り込まれたのち、1ドットずつキーボードで打ち込んで彩色されたというが、イメージを制約のなかで表現したことで、ゲームの背景だからこその強度が生まれていることに気づかされる。

「FINAL ROUND」展示風景より、伝説の企画書たち ⓒCAPCOM

 ゲームを楽しむだけでなく、そのゲームがどのような思想によって企画され、制約のなかいかなる発想と技術でつくられたのかを学ぶことができる本展。これからゲームをプレイするときに、より深く楽しむことができるヒントをもらえる展覧会だ。

編集部

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