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特別展「ミロ展」(東京都美術館)開幕レポート。没後40年を機に全体像をとらえ直す【2/5ページ】

 第2章「モンロッチ─パリ 田園地帯から前衛の都へ」では、1920年代の活動を追う。スペインのモンロッチで療養生活を送っていたミロは、この時期に初めて芸術の都・パリを訪問。そこで最先端の芸術の在り方に衝撃を受けたことをきっかけとして、翌年から同地のアトリエで活動を行うようになった。

 モンロッチとパリを往復しながらも、パリのシュルレアリスム作家や詩人との交流を深めていったミロの作風は徐々に記号的なものへと変化していく。25〜27年には「夢の絵画」と呼ばれる作品を100点以上手がけ、絵画と詩を融合させた「絵画詩」の表現を確立。これらの作品がパリで評価されていった。

特別展「ミロ展」展示風景より、《絵画=詩(栗毛の彼女を愛する幸せ)》(1925)
特別展「ミロ展」展示風景より、《絵画(頭部とクモ)》(1925)

 その後、既存の芸術に対して批判的な目を向けるようになったミロは、コラージュ表現やオブジェの制作をもって絵画の在り方を問い直し続けた。「絵画を暗殺したい」とまで口にしたというミロの意欲的な姿勢も垣間見ることができる。

特別展「ミロ展」展示風景より、手前は《オランダの室内Ⅰ》(1928)
特別展「ミロ展」展示風景より、《絵画=オブジェ》(1936-53)

編集部

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ミロ展

2025.02.28 - 07.05
東京都美術館
上野 - 日暮里 - 秋葉原|東京