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特別展「ミロ展」(東京都美術館)開幕レポート。没後40年を機に全体像をとらえ直す【3/5ページ】

 第3章「逃避と詩情 戦争の時代を背景に」では、1936年に勃発したスペインの内戦や同年の第二次世界大戦といった戦禍の影響が、ミロの活動にどのような影響をもたらしたかについて俯瞰することができる。

特別展「ミロ展」展示風景より、左から《絵画(カタツムリ、女、花、星)》(1934)、《無題(夜の恋人たち)》(1934)

 これらの戦争から逃れるためにフランスのパリやノルマンディー地方の村を転々とし、スペインへの帰国後はマジョルカ島やモンロッチへと移動を続けた。このあいだに制作されたのが、夜や音楽、星を着想源にした「星座」シリーズであり、同展では描かれた全23点のうち3点が出展されている。

 また、音声ガイドを用いると、ミロが当時聴き続けていたというJ.S.バッハによる楽曲「目覚めよ、と呼ぶ声あり BWV 645」とあわせて鑑賞することができる。絵画と音楽が交じりあう豊かな体験をぜひ試してみてほしい。

特別展「ミロ展」展示風景より、手前は《カタツムリの燐光の跡に導かれた夜の人物たち》(1940)
特別展「ミロ展」展示風景より、《明けの明星》(1940)

編集部