日本美術において表現されてきた様々な吉祥の造形。これにフォーカスした展覧会「HAPPYな日本美術ー伊藤若冲から横山大観、川端龍子へー」が、東京・広尾の山種美術館で2025年2月24日まで開催中だ。
本展には、長寿や子宝、富や繁栄など、人々の願いが込められた作品55点が並ぶ。
展示は「福をよぶー吉祥のかたち」と「幸せをもたらすーにっこり・ほのぼの・ほんわか」の2章構成。
第1章では、吉祥をモチーフとした作品が並ぶ。展示冒頭は、2025年の干支でもある巳年にちなんだ蛇を主題とした作品が並ぶ。蛇は富をもたらす生き物として信仰され、昔話や神話にも頻繁に登場する。なかでも注目は竹内栖鳳《艶陽（えんよう）》（1940、山種美術館）だ。繊細なウロコや舌など、繊細な徹底した観察眼によって描かれた蛇の姿に目を凝らしてほしい。
