1947年に誕生して以来、グッチのアイコンとなっている「グッチ バンブー 1947」にフォーカスしたセクションが 「BAMBOO バンブーの世界」だ。
竹林の映像がプロジェクションされた壁には60年代から現在までのバンブーバッグが並ぶ。これらと対面するように、横山奈美、森山大道ら日本のアーティストたちがヴィンテージのバンブーバッグとコラボレーションした作品が展示。またバンブーとつながるように、井上流光の日本画《藪》(1940)が空間において大きな存在感を放つ。ここでもグッチと美術館コレクションの共演が実現している。
展覧会の最後を締めくくるのは「RED THREADS グッチの絆」。現クリエイティブディレクター、サバト・デ・サルトの象徴的なカラーである「赤」をモチーフにした部屋で、歴史を超えて様々な赤とリンクするアイテムが並ぶ。またここは展覧会冒頭で示された「赤い糸」へとつながるもので、会場全体が円環をなし、連綿と続くグッチの歴史を体現しているとも言えるだろう。
100年以上に渡り紡がれてきたグッチの美意識と卓越した技術。そして様々なアーティスティック・ディレクターたちが星座となり構築してきたその「コスモス」を、京都の地で体感してほしい。