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「眷属」(龍谷ミュージアム)開幕レポート。多彩な信仰を支える名脇役たちがここに【2/5ページ】

 会場は4章構成。第1章「眷属ってなんだ?」では、そもそも「眷属」とはどういった意味をもち、どのように表されてきたのかを紹介する。

 前漢の司馬遷によって編築された史書『史記』には、一族郎党という意味で「婘属(眷属)」という言葉が現れる。この言葉は仏教伝来とともにインドから中国へ伝来したとされるが、それではインドにおいて眷属とはどのようなものだったのだろうか。

展示風景より、右が『史記 巻第九十五』(1598、明時代)開版、龍谷大学図書館

 仏教誕生の地であるインドでは、釈迦の一族、弟子、教えを受け継ぐ菩薩神々などを眷属として扱っていた。スワート、マトゥラー、ガンダーラなどで見つかった仏伝浮彫では、インドの伝統的な神々が仏教に取り込まれ、釈迦の眷属として表されていることをいまに伝える。

展示風景より、左から仏伝浮彫「梵天勧請」(1〜2世紀、スワート)、仏伝浮彫「四天王奉鉢」(2〜3世紀、マトゥラー)

 多くの像が日本でもつくられることとなる阿修羅、梵天・帝釈天、竜王、阿難、大迦葉などがこれにあたる。釈迦の最期、そのまわりに眷属たちが集まる様を描いた京都・誓願寺の《仏涅槃図》(1364、貞治3年)を会場で見れば、眷属の原点がよくわかるだろう。

展示風景より、《仏涅槃図》(1364、貞治3年)京都・誓願寺

編集部

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