第2章「護法の神々」では、仏法を護り、人々に利益をもたらす眷属を紹介。奈良・興福寺に伝わる国宝《十二神将立像》のうちの安底羅大将立像もそのひとつだ。十二神将立像は12体すべてが凛々しい顔つきをしており、薬師如来をあらゆる十二のあらゆる方向から守る、言うなればガードマンのような存在だ。
千手観音の命で『千手経』の誦持者を守護する眷属として知られるのが二十八部衆。展示されている京都・永観堂禅林寺に伝わる《千手観音二十八部衆像》は、左右編で岩山のなかに二十八部衆に風神・雷神を加えた30尊を描く。このように日本美術のモチーフとして広く知られる風神・雷神も、千手観音の眷属として描かれることがあった。
本章ではほかにも薬師如来の護法神である十二神将や、『法華経』を読誦、受持する者の守護者である十羅刹女など、様々な護法の眷属たちを紹介している。