アメリカを代表する現代写真家のひとり、ロー・エスリッジ。その個展「FUGUE FOR 31 RUE CAMBON(カンボン通り31番地のフーガ): ROE ETHRIDGE AT CHANEL ARCHIVES」が、東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールにて開催されている。会期は2月25日〜4月18日。

ロー・エスリッジは1969年フロリダ州生まれ。20代でニューヨークに移り住み、コマーシャル・フォトを通じて自身の創作活動を継続してきた。その作品はニューヨーク近代美術館やテート・モダンなどの主要美術館に収蔵されており、国際的に高い評価を得ている。
その最大の特徴は、ファインアートとコマーシャル・フォトグラフィーの境界を曖昧にする実験的なスタイルにある。ファッション誌や広告写真の手法をアートへと昇華させるエスリッジは、現実と虚構、親しみやすさと違和感が交差する世界観を構築。本展においても、1世紀にわたるメゾンの伝統と現代の感性を結びつけ、ガブリエル シャネルのレガシーに新たな側面をもたらしている。

本展の核となるのは、パリ・カンボン通り31番地にあるガブリエル・シャネルのアパルトマンのプライベートコレクション、およびメゾンのアーカイブ施設「パトリモアンヌ」の所蔵品だ。
エスリッジは、普段は閉ざされているこの扉の奥へと招かれ、シャネルが愛したオブジェの数々を撮影した。展示作品には、ジャック・リプシッツによるシャネルの胸像やパブロ・ピカソによるスケッチ、さらには2世紀のエジプトの葬儀用マスクといった多岐にわたる品々が登場。これらのレガシーが現代的な小道具と組み合わされ、フォトコラージュの手法によって現代の息吹を与えられている。通常は非公開であるメゾンの深部を、エスリッジの独自の視点を通じて一般公開する貴重な機会だ。

シャネルは1世紀以上にわたり、同時代を代表する芸術家たちを支援し続けてきた 。今回のプロジェクトは、その伝統を未来へとつなげる「CHANEL Culture Fund(シャネル文化基金)」の精神を体現するものでもある 。
ガブリエル・シャネルが芸術家たちと育んだ友情の証であるオブジェたちが、現代のトップフォトグラファーの手によってどのような「フーガ(追走曲)」を奏でるのか。シャネル・ネクサス・ホールが贈る、創造性と革新に満ちた物語をぜひ体験してほしい。



CHANEL パールネックレスとカメリア 1990年代 パリ、パトリモアンヌ・シャネル蔵 ©CHANEL/Roe Ethridge

CHANEL 麦の穂のブローチ(製作ゴッサンス) 1960年代 CHANEL ペタンクボール 2010年春夏 プレタポルテコレクション パリ、パトリモアンヌ・シャネル蔵 ©CHANEL/Roe Ethridge

©CHANEL/Roe Ethridge

©CHANEL/Roe Ethridge

花瓶(製作メゾンデスニー) 1930年代 ガブリエルシャネルのアパルトマン(カンボン通り31番地)蔵
©CHANEL/Roe Ethridge































