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2024.6.9

フィリップ・ティナリが語る、新たなシャネル・ネクサス・ホールの戦略と役割

シャネルが運営する世界唯一の施設「シャネル・ネクサス・ホール」。そのアドバイザーとして、中国・北京の現代美術館「UCCA 現代アートセンター(UCCA Center for Contemporary Art)」でディレクターを務めるフィリップ・ティナリが就任した。ティナリが見据える、シャネル・ネクサス・ホールの新たな展開とは?

聞き手・文=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長)

フィリップ・ティナリ
©CHANEL
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重視するのは「NEW」と「NEXT」

──まずは、グローバルアドバイザーとしてシャネル・ネクサス・ホールに参加することになった経緯から教えていただけますか?

 きっかけは、シャネルでグローバル アート&カルチャーの責任者を務めるヤナ・ピールです。彼女とは15年近い付き合いで、私がディレクターを務めるユーレンス現代アートセンター(UCCA Center for Contemporary Art)で2021年に開催した「Becoming Andy Warhol」に、シャネルがスポンサーとしてサポートしてくれることになりました。そのとき、一緒に仕事をする機会を得たのです。ちょうど彼女がシャネルでいまのポジションに就いた直後でした。その後、一緒に仕事をしないかと声かけてもらったのが始まりです。このシャネル・ネクサス・ホールが今年で20周年を迎えるにあたり、歴史を活かしつつ、未来を見据え、現代美術の若手作家をどのように東京から発信していけるか、その戦略を考えてほしいとリクエストされたのです。それが今回の展覧会のキュレーションにつながっています

「Borrowed Landscapes フェイイ ウェン|パン カー 二人展」展示風景より
©CHANEL

──アドバイザーとしてこの施設をディレクションするにあたり、どのようなビジョンや目標を持ちですか?