日本の美術工芸品の魅力を国内外で紹介する特別展「ひかりの底」が東京・東品川にある寺田倉庫が運営するアート複合施設 TERRADA ART COMPLEXⅡ BONDED GALLERYで開催される。会期は11月1日〜21日。
日本の美術工芸品は、世界市場においてアート作品と同様に高く評価されており、欧米のコレクターが増えたことをきっかけに、その注目は日に日に増している。
本展では、キュレーターに橋本麻里(小田原文化財団 甘橘山美術館 開館準備室室長)を迎え、「ひかりの底」をコンセプトに、6人の作家による作品と、京都府所蔵の貴重な作品が展示される。
ステレオタイプな『陰翳礼讃』に留まらず、影と表裏一体で存在し、むしろ光源そのものをさえ「かげ(影)」と呼ぶ、日本で育まれた「光」に対する感覚に注目。コンセプトを技芸の深みにも通じる「底光り」とし、平板な、明るいだけの光ではなく、和紙を透かすくぐもった不透明な光、闇を孕んだ光、無限の色を含んだ光、無彩色の光など、光の表現の豊かなバリエーションと、それを実現する多彩な素材や技法を紹介する(リリース内「展示コンセプト」より引用)。
参加作家は、井本真紀(ガラス)、江里朋子(截金)、山村慎哉(漆工)、橋本知成(陶芸)、誉田屋源兵衛(染織)、かみ添(唐紙)、清水卯一(陶芸、京都府蔵 [京都文化博物館管理] )。
なお同展は2024年1月を目途に、国内空港においても展示が予定されている。海外からの観光客に向けて、日本の美術工芸品の奥深い魅力が伝わるきっかけのひとつとなるだろう。