2020年12月10日追記:本展会期は2021年1月20日までに延長された。休館日は日曜・祝日、12月26日〜2021年1月5日。
岐阜県大垣市の職人が一つひとつ手づくりし、160人のクリエイターがおめでたい柄や物語性のあるデザインなどを施した、160種類の枡を会場とオンラインで販売する。特設サイトでは、企画の詳細や枡制作の様子が紹介されており、来場予約の受付や全作家の作品公開も行われている。


「増す」や「益す」とも読めることから、縁起が良いとされる枡は、大きさを一升、一合などと容量の単位で表すように、古くは穀物を計る道具として、年貢の計算などに用いられてきた。かつては計量器として広まったが、いまは祝宴などで活躍したり、小物を入れたり、飾ったりするなど、アイディア次第で様々な場面でも利用できる。

木枡の全国生産量の8割を担う日本一の生産地である岐阜県大垣市。時代の移り変わりを経てもなお、市内には3つの製造業者が残っており、釘を使わない組み木の枡づくりの技術と伝統を職人たちが守っている。時世の流れで祝いの席が減り、枡を使う機会が少なくなっているいまも、枡の多様な使い方を提案しながら、その現代に通じる価値を伝え続けている。


また、8月にオンラインで開催された「クリエイション・キッズ・ラボ 2020」で子どもたちが絵柄をデザインした枡も会場で展示される。

制作費を除いた本プロジェクトの収益金は、非営利組織「セーブ・ザ・チルドレン」に寄付予定。新型コロナウイルスの影響を受けた世帯への緊急子ども給付金提供などの活動や今年7月の豪雨への緊急支援をはじめ、子どもの貧困問題の解決や虐待の予防、災害被災地での支援など、日本の子どもたちの未来を守るために使われる。
手に取ると良い香りが広がり、端材を活用してつくられ環境にも優しいヒノキ枡。今回のチャリティープロジェクトを通じ、その魅力を再発見してほしい。



