映画『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』が4ヶ月連続再上映

東京国立近代美術館で始まった「ヒルマ・アフ・クリント展」にあわせ、映画『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』が4ヶ月連続で再上映される。

『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』より

 東京国立近代美術館で始まった「ヒルマ・アフ・クリント展」(〜6月15日)。この開催にあわせ、映画『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』がユーロスペースにて4ヶ月連続で再上映される。

 ヒルマ・アフ・クリントは1862年にスウェーデンに生まれた画家。スウェーデン王立美術院で美術を学び、卒業後は当時の女性としては珍しく職業画家として伝統的な絵画を描き、成功を収めた。いっぽうで、青春期から霊的世界や神智学に関心を持っていたヒルマは、妹を亡くしたことでよりその関心を強くし、神秘主義に傾倒。独自の表現の道を歩みはじめ、同じ思想を持った4人の女性芸術家と芸術家集団「5人(De Fem)」を結成するなど、より活発に活動を展開させた。同時代の作家たちが新たな芸術作品を発表するいっぽう、ヒルマはその作品を公表せず、死後20年間は世に出さないように言い残し、1944年にこの世を去った。

 死後半世紀を経て、グッゲンハイム美術館でその回顧展が開催されると同館史上最高となる約60万人の来場者数を記録し、ヒルマにふたたび光が当てられることとなった。本作は、こうしたヒルマの歩んだ道を、キュレーターや美術史家、芸術家たちの言葉によって解き明かすものだ。

 東近美でのアジア初の大規模回顧展とあわせて見ることで、よりその人物像・作品への理解が深まることだろう。

編集部

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