日本を代表する現代美術家である折元立身(おりもと・たつみ)が、2月23日に逝去した。
折元は1946年神奈川県川崎市生まれ。71年にカリフォルニア・インスティテュート・オブ・アートを卒業後、ニューヨークへ移住。ビデオ・アートの開拓者として知られるナム・ジュン・パイクの助手を務め、フルクサスへの参加を経て、2001年には第49回ヴェネチア・ビエンナーレに参加。これまで国内外で多数の作品発表を行ってきた。
折元は、認知症とうつ病を患った母・男代(おだい、1919〜2017)の介護自体をアートに変え、《スモール・ママ+ビッグ・シューズ》や、《パン人間の息子+アルツハイマーの母》などを発表してきた。91年に日本で初めて行われ、その後、世界各地を旅した《パン人間》(頭部全体にフランスパンをつけた折元が練り歩き、その場所に居合わせた人々と交流するもの)も代表作のひとつとして知られる。
昨年には東京都渋谷公園通りギャラリーの展覧会「共棲の間合い -『確かさ』と共に生きるには-」に参加し、《パン人間》のパフォーマンスを行ったばかりだった。