35歳以下を対象に、グランプリ受賞者が個展開催の権利を与えられる公募展「1_WALL」。その第22回グラフィック「1_WALL」展が、3月17日〜4月18日に銀座のガーディアン・ガーデンで開催される。
本展は、ポートフォリオ審査による一次審査と、一対一で審査員と対話をする二次審査を通過したファイナリストたちが、一人一壁面を使って作品を発表するグループ展。会期中の3月23日には、オンライン上のライブ配信による最終審査会(事前申込制)を開催。ファイナリスト6名がプレゼンテーションを行った後、5人の審査員による議論を経て、グランプリが決定する。また、グランプリ受賞者には、1年後の個展開催の権利と、個展制作費30万円が贈られる。
グラフィック界の次世代を担う若手を発掘してきた「1_WALL」で、今回ファイナリストに選出された6名とその作品を紹介していく。
ちぇんしげ
ちぇんしげは1993年生まれ、武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース在籍。本展では、「縁なき衆生は度し難し」の世界観を表現した作品を発表する。
小林喜一郎
小林喜一郎は1995年生まれ、武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻卒業。三角チャコや膠などを用い、 おんどりを描いた《年賀状だけの関係が終わる。》を展示する。
WAN_TAN
WAN_TANは1998年生まれ、京都造形芸術大学情報デザイン学科イラストレーションコース在籍。一度完成した作品を、ビジュアルとしてのPOWERやSPEED感を高めるために再構成し、ポップなキャラクターを描きだす。
森ひなた
森ひなたは1995年生まれ、女子美術大学短期大学部造形学科創造デザインコースメディア卒業。色鉛筆や鉛筆で生き物を描くのが特徴。本展では、地鳴りが聞こえてくるような、地の深く下で燃えているもののようなものに対する憧れを表す《あつめる》を展開する。
水上雄太
水上雄太は1997年生まれ、多摩美術大学グラフィックデザイン学科在籍。制作過程において生じるノイズの様なテクスチャーを重ねて植物を描くことで、植物が持っている異常な生命力を表現する。
おおだいらまこ
おおだいらまこは1995年生まれ、尾道市立大学大学院美術研究科在籍。作品と鑑賞空間の関係をテーマとし、キャンバスにアクリル絵具と墨でドーナッツを描く。既存の枠組みにとらわれずに、絵画が空間に対して行いうるアプローチの可能性を探る。
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なお、今回のグラフィック部門の審査員は、アートディレクター/グラフィックデザイナーの上西祐理、グラフィックデザイナーの菊地敦己、イラストレーターの都築潤、イラストレーターの長崎訓子、東京国立近代美術館主任研究員の保坂健二朗の5人が務めている。
一次審査と二次審査を通過した 6 名による最終プレゼンで、グランプリは誰の手に渡るのか。