世界の劇場性を写真で感じ取る。Ryu Ikaの個展「The Second Seeing」がガーディアン・ガーデンで開催
第21回写真「1_WALL」グランプリを受賞したRyu Ika(劉 怡嘉)の個展「The Second Seeing」が、9月12日まで東京・銀座のガーディアン・ガーデンで開催中。展示空間を舞台に転換し、空間全体を使った展示と世界の劇場性を表した作品群に注目だ。
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2019年に行われた第21回写真「1_WALL」でグランプリを受賞したRyu Ika(劉 怡嘉)の個展「The Second Seeing」が、東京・銀座のガーディアン・ガーデンで開催されている。会期は9月12日まで。
Ryuは中国内モンゴル生まれ。2020年に武蔵野美術大学造形学部映像学科を卒業。これまで「いのちを授けるならば」(2019、ふげん社、東京・東銀座)、「Puzzle Mapping」(2019、AMAC Projects ギャラリー、フランス・パリ)と題された個展を行い、多数のグループ展に参加してきた。またその作品は、山梨県の清里フォトアートミュージアムにも12点が収蔵されている。
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写真を通し、この世界の仕組みや、物事の真実とは何かを見出そうとするRyu。彼女は、現実世界を舞台に見立て、空虚に感じるその本質に迫ろうとした展示「Big Brother is Watching You」で「1_WALL」のグランプリを獲得。審査員を務めた美術批評家・沢山遼は、それを『トゥルーマン・ショー』の監視構造やジョージ・オーウェルの小説『1984』に登場する「ビッグ・ブラザー」と比較しながら、彼女の作品は「写真が本来的に世界内世界をつくりあげてしまうものであるという、写真の存在論自体に関係する」と評価する。
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本展では、展示空間を舞台に転換し、空間全体を使った展示を行う。電飾ネオンが眩しいホテルや、暗闇に光る羊群の目、色とりどりの幼稚園の建物、そして活き活きと生活する人々などを撮影した写真は、見る者に強烈な印象を与える。また、世界の劇場性を感じ取り、写真で現実を切り取り表現するこれらの作品は、私たちがこの世界という舞台で演じている役についても問いかけている。
Ryuは本展におけるステートメントで次のように語っている。「私が何かを見るとき、同時に、その何かにみられるということから、決して自由になることはできない。それは、自分のなかから第二の自分(他人)を分裂し、自分という存在を『見直す』ことなのかもしれない。完全な自我を束縛するには演技が必要になる。そうやって、社会というものはつくられている」。
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9月2日には、「1_WALL」の審査員で赤々舎代表取締役・ディレクターの姫野希美をゲストに迎え、Ryuとの対談イベントを開催。受賞から1年後の個展とともに、作家が語る言葉にも注目してほしい。
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